高知と徳島を繋ぐ酷道・駒背越え峠に行ってみた話。
どうも、篠です。
今回は安芸・室戸パシフィックライドの翌日、偶然出会った高知と徳島を繋ぐ酷道・駒背越え峠に行ってみた話を綴ります。
突然ですが…
皆さん、林道はお好きですか?
私は大好きだ。
誰もいない山の奥を淡々と登っていく、そんなひとりになれる時間が好きで堪らない。
特に、ほどよく路面が荒れていて、苔が生えていたり、ガードレールがなかったりする道にときめく。
ということで、
今回も大通りから外れる道の探索に出た。
あいにく、ライド前夜は豪雨で夜明けまでポツポツと降り続け、昼間も雨降る時間帯があるとの予報。
山奥の路面状況はかなり厳しい気がするが、せっかく高知まで来たし、遊ばないのは勿体ない!と賭けに出ることにした。
10時過ぎの晴れ間を見計らって出発。
賭けに出る pic.twitter.com/m2fPKjWfuq
— 篠 (@shino_138) 2019年12月2日
夕方18時過ぎの便で東京に戻る予定で、それも考慮して16時までには荷物を預けていたホテルに戻れるように、短い距離にした。
今回の目的地はこちら
⤵︎⤵︎⤵︎⤵︎⤵︎⤵︎⤵︎
駒背越え峠
聞かない名前だね…
めちゃくちゃマイナー峠だ。
標高1000m超え。
地図を普通に眺めているだけでは、まず見つからない道。
安芸駅の一つ隣の「伊尾木駅」から真っ直ぐ内陸の方に伸びていく県道207号があるよね?
行き止まりかと思いきや、
そこの地図を拡大すると、
なんと、
細い林道が続いているのではないか!(*゚∀゚*)
県道が途切れてからも約25km道が続き、
その先に長いトンネルがあり、
「駒背越え峠」
の表記があった。
トンネルを越えれば徳島県!
これは行くしかない…!
と思った。(←実は徳島県未踏)
近道通って県道207号から208号に接続。
走り出しはしばらく心地よい青空が続いた。
実は今回走るこの道は、
西日本豪雨の被害にあった道路。
道ごと流された箇所が多く、
川の下流にある道はほぼ作り直されており、今も大掛かりな工事が続いている。
この神社の横を通りすぎると、道が一気に林道っぽくなっていく…
道路工事が色んな箇所でやっている為、序盤ではたくさんのトラックとすれ違った。
海から10km通過。
大雨降るとこの道は通れないらしい…今日はセーフ。
さらに奥に進むとこんなのも…
古い橋脚の跡
綺麗に残っているね
この道は完全に流されたようで、全て作り直されている。被害で流れてきた土砂のせいで河床が高くなっている。また大雨降ると氾濫の可能性があるので、いまだに土砂を掻き出して外に運ぶ作業が続いている。
トンネル通過…
昨夜の豪雨で山から流れてくる水で道路に大きな水たまりができたり、川になってたり…
この辺も水害で道路が削れて半分しかない所が多い。
赤い橋を通ると、市道安明寺古井線に接続
ここまで25km経過
この先はつい今年の7月まで
時間制限の通行しかできなかったらしい。
山の集落に住む方が朝昼晩だけ通行できるという。
この道が通れるようになるまで、この先の民家までいくには他の道で徳島県周りで反対側から峠越えしかなかったです。往復で6時間はかかるらしい…道路工事の方々に感謝(;ω;)
これから先は所々グラベル
道が半分以上落ちて、今は鉄板敷いてやっと通行できるようになった道。
川の向かい側は元小中学校、水害でグラウンドごと埋もれて建物も冠水で今はもう使われていない廃墟。
さらに進む…ここまで来ればもう人には会わない……辺りは動物の鳴き声と川の音だけ。
崩れた土砂を圧縮した丘。
ここの分岐で真っ直ぐ進む。
この辺から伊尾木林道かな…?
はっきりとした看板がなかったので、林道の始点が不明。
ちなみにここを左に曲がると安芸の裏にある県道210号に繋がる未舗装林道。
駒背越え峠方面に真っ直ぐ進むとこんな感じ。
注意看板は説得力の塊……
影野は地名なのか名字なのかは分からない。
奥にある家の隣にも建物があったが、川に流され屋根と壁が分解されていた。
人がいる気配がない…
🚵♀️🚵♀️🚵♀️🚵♀️🚵♀️
川にあるゴロゴロした大きい岩がかっこいい
水浸しの道路を突き進む
35km通過
42km地点ぐらいに最後の民家がある。
ここは普通に人が住んでいるようだ。
ずっと1%~5%前後の緩斜面だったのが、この白い橋の手前から本格的な登りに変わる。
とはいえ極端にキツい勾配はなく、5%~12%の間を行き来。
残り4km地点に工事区間がある、この日は休みで誰もいなかった
さらに登りすすむ
路面状況良くなったと思いきや、いきなりイン側がバキバキだったり。
白い塗料で囲んである為、目に着きやすい。
しばらく森の中を進むと一気に開ける
もう25km以上ガードレールを見ていない…
新しい塗装とガレ場が交互にくる。
個人的にお気に入りの辺り…
これぞ峠道……
この辺で、標高1000m前後
パラパラと小雨が降り出しましたが、許容範囲。
雨模様もまた幻想的でいい…
見晴らしポイントからさらに1kmほど進む、
ちょっとしたダートを越えればトンネルが見えた。
目的地である駒背越隧道に到着✨
標高1090m
苔がいい感じ……
トンネルは全長345m、入口から出口が見えるので、1人通っても怖くない←ここ大事
トンネルを抜けたら徳島県だった!
祝!初徳島上陸!!
徳島県側は林道東川千本谷線というらしい
全面通行止めがちゃんと解除されているので、高知県から徳島県まで抜けられるようになっているね。
今日はピストンの予定なのでここで引き返すことにした。
ここまで50km、1127m↑
正直ずっと登り基調だったけど、かなり長い緩斜面なので、まとまった登りが最後だけ。
本当に1000m以上登ったのか…?と疑問を持つぐらい登った実感が少ない。
そういう意味ではヒルクライム苦手な方でグラベル好きなら楽しめるのではないかと……
でも電波通信や路面状況的に、
気軽に行くような道ではないと走り終わった後にこんな結論に至った。
ラスト35kmは電波が全く入らず、ネットも通じない。
連絡手段は古井集落と別役集落の公民館に置いてある公衆電話のみ。
来年からauが入る予定はあると地元の方から聞いたが、それもいつになるかは詳しくは分からないようだ。
集落で出会った郵便配達のおばさんから聞いた話だと、
大雨が降る度に新しく崩れる道が出てくるから、落石は常に尖っていて、バイクはもちろん、車でも慎重に運転しないと2回パンクするんだとか……
ロードバイクでこの道を走る人は初めて見たよ。しかも女の子1人で!
とも言われた。
道の途中にあった小中学校の廃墟はおばさんが小さい頃に通っていた学校という驚きの情報も…
知らない道を走って地元の人と話するとすごく勉強になる。
その地のことを知るとまた景色が違う風に見えるよね。
間違いなく今年ロードバイクで走った中で一番過酷な道だった…
うむ、とにかく今回は無事に帰って来れてよかった。
とても楽しかったけれど、次は1人では行かないかな…気になる方、2~3人で行くのが◎
「気になった道にいく」だけで
自転車は楽しい。
思い付いたら行動するのは軽率でもあるけれど、その時にしか味わえないワクワク感があって、やめられない…
安芸駅から高知龍馬空港までは直通のバスがないので、初の移動方法に挑戦。
安芸駅よりごめん・なはり線に乗車。
のいち駅まで移動、運賃720円
のいち駅で下りてから、空港←→のいち駅の相乗りタクシーを利用。
乗車予定時間の3時間前までに予約すれば利用できます!
1人500円!とても安い、有難い。(;ω;)
1220円で26km離れた空港に到着。
お土産のコーナーでミレービスケット制覇
〆に高知名物の鍋焼きラーメンを食べる
完璧です。
気になる道がたくさんあるから、また高知県をじっくり回りたい……
次はいつになるんだろう…楽しみに地図を眺めておこう。(*´ -` )
ではでは。