山は性癖です。

ヒルクライムは芸術、峠道はロマン。そんな人の日常。YouTubeに車載動画を上げております⇒https://www.youtube.com/channel/UC28MD_W9WmDCoetAcFCGpBg

ダウンヒルでずっと苦手だった下ハンを使ってみた話

どうも、篠です。

今日はちょっと普段あまり触れない下り関連の話をしたいと思います。

ダウンヒルの話は何かしら熟練者に突っ込まれやすい話題なので先に言っておきます。

これは、初心者向けの内容です。

特に女性の方に聞いて欲しいです。

分かっている大人の方は適当に聞き流してやってください!🙌

 

本題に入ります。

 

そもそも!

私は自転車始めたての頃、

ダウンヒルが大嫌いでした。

山を登ったら下りは全部リフトで降りたいと思うぐらい、スピードが出る下りが怖かったです。

でもヒルクライムを続ける上で、どうしても登ったら下らないといけないので、そんなことは言っていられません。

苦手意識を克服しようと沢山数をこなして練習しました。

年間累積標高35万m登ると35万m下っているので、経験はだいぶ積みました…()

 

とはいえ、それはあくまで下りの際の意識やコーナーリングの経験であって…

ドロップハンドル(下ハン)を握ることにとてつもない恐怖を感じていました。

だって、下りで下ハンを握ると体重が前に行きやすいから前転しそうになる気がしてきます。(この感覚がそもそもの間違いだったことに後から気が付きます、詳細は後ほど!)

 

ハンドルの運用は練習しないと身につかないスキルです。

そのせいで、去年の秋まで下ハンを握って安全に下れる自信は全くありませんでした。

何年も自転車乗っていても、これができない人はかなりいる現実です。

 

幸いなことに、今は機材が凄まじく初心者に優しいです。

シマノならアルテ以上?カンパニのレコード?スラムレッド?グレードなら、ブレーキの効きは申し分ない。

ホイールもマビックのr-sysやキリシウムSLなら、リムがエグザリッド加工されているので雨の日でも十分効きます。

最近、リムブレーキより遥かに優れた、微かな力でちゃんと止まるディスクブレーキが普及してきています。

ブラケットを握ってるだけで普通に下れます。

 

実際今外を走る時、周りや通りすがりのサイクリストさんを観察しても、かなりの急坂なのにほとんどの人はブラケットに手を添えて下っています。

でも長いきつい下りを終えた後にみんな、

「あああ…握力やられた…!」

と声を上げることが多いのは何故でしょうか?

 

答えはみんな分かっているかと思いますが、

ブラケットを握ってブレーキレバーの操作するのは下ハンに比べて握力を使うからです。

 

「何で下ハンを使わないですか?」

と質問したところで、

「ブラケットでもブレーキ効くし、下ハンを無理して使う必要性を感じないから」

という答えが帰ってくることがほとんど。

実際この記事を書くまで、何人もに質問してみました。

 

ちょっと違和感を覚えませんか?

言い換えれば、

ブレーキの制御に一抹の不安を感じたけど、何とかなったからラッキー!

これは綱渡りのような危ない考えです。

 

私が下ハンの練習を始めたきっかけは、

去年の乗鞍ヒルクライム1ヶ月前の試走で落車したことからでした。

あの時は全力出し切って登り終わったあと、補給せずに下ったらハンガーノックのせいで意識散漫になり、何ともない緩斜面の直線で前輪が大きな穴にハマって、前転落車しました。

普段反応できたであろう段差で、大きな振動に耐えられず咄嗟に手が離れてしまったのが原因だと思われます。

 

全くスピードが出ていなかったとはいえ、

自転車をその場に残して、人だけが前転した感じでした。

右半身を強打してヘルメットが割れるほどの衝撃でした。アイウェアが飛んでったなあ…

結果、完治1ヶ月以上かかる大面積の擦過傷何ヶ所で、消えない傷跡が何個もできました。

 

あの時、自分の手がブラケットではなく、ドロップハンドルを握っていたら、

衝撃で手が離れてしまうこともなく、後輪浮かずに前転回避できたのではないかと、

今でも傷跡を見る度に考えてしまいます。

 

その後、後押しとなる事件が起こりました。

 

去年の200kmブルベ日本橋922に参加した際に、かなり路面が悪い急勾配の木賊峠を下ったことでした。

日本橋922は200km、獲得標高6200m超えのブルベです。

木賊峠を下った時既に獲得標高5300mを超えて、その日は朝方雨でほとんどの下りは路面がウェットでブレーキをかける場面が多かった日でした。

r-sysのエグザリッドリムで何とか耐えられましたが、無理して路面の悪いところで上ハンでブレーキを握り続けたせいで、ゴール後にバネ指になりました。

路面が悪いとブレーキをかける握力だけではなく、ブラケットから手を離さないようにきつく掴むことにも握力を使います。

 

バネ指とは、指の腱鞘炎で、指が曲がった状態から戻らなく現象です。

なんとかマッサージして戻しましたが、重症になると手術をしないといけない深刻なことでした…

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多分、このままでは、いつかロングライドの長い下りで大事故になるだろうと…その時、強く思いました。

 

特にこれは女性向けの記事と言った理由は、

女性は男性とは生まれ持った握力がそもそも違います。手の大きさの原因もあり、上ハンで制御するのに限度があります。

女性でなくても、長い急勾配の峠を下ると指と手が疲れることもあります。

握力は使われるとすぐに回復するものではありません。一日に使える限度があると思った方がよいでしょう…

いざとなった時にブレーキをしっかり握れる余裕を常に持っておくことが大切です。

これは下ハンと上ハンを使い分けるスキルを身につけることで、できることです。

大袈裟に言うと自分のライフゲージを増やせます。

 

 

あれからは、自分でいろいろ下ハンドルの使い方について調べるようになりました。

 

調べれば調べるほど、何故かインターネットでもサイクリストの間でも「下りは下ハンを使わないといけない考えは古い」というフレーズが出回っていることが判明。

これは、両方の正しい使い方をマスターしている人以外言わない方がいいのではないかと…

正直思いました。

現に私が命の危機を感じて敬遠していた下ハンに縋りたくなった訳ですから。

 

 

下ハンの使い方を覚えるわかりやすいメリット

①軽い引きで簡単にブレーキ効くので、制御しやすい

②ドロップハンドルを握っていれば、大きな段差が来ても振動で手が離れることはまずないから安心

③ちゃんと体を引いて低重心で下ると上ハンドルより圧倒的に安定感がある

 

下ハンの使い方を覚えるデメリットは、果たしてあるのだろうか…?

スキルの引き出しを増やしておいて損はないですね。🙌

 

去年、自分が下ハンの使い方が分からなくて敬遠していた理由を何個か上げます。

①下ハンを握るとブレーキレバーが遠くて、指が届かないからブレーキに触れない状態で下るのは怖い

②体重が前に行きやすいから前転しそう

③咄嗟な衝撃で握りすぎてロックしそう

 

それが、お世話になっているショップで下ハンの使い方を教えて頂いたら、怖かった下ハンがすんなり握れました。

 

①については、はっきり言って機材の問題です

女性や手の小さい方はブレーキレバーの大きさなどで悩むことは多いです。

ハンドルの形やブラケットの位置で握りづらくなることもあります。

そのほか、実は、

ブレーキレバーの引きが硬いと、ちょっと引っ張っただけでブレーキがかかってしまうので、ドロップハンドルを握りながら指で軽くレバーを引っ掛けることができないようになっています。

教えて頂いたのですが、

 

ロードバイクに乗り立ての人はほとんど上ハンドルを握るので、購入当初のブレーキの設定は基本的にブラケットを握った状態でもブレーキが効くように硬く設定されることが多いです。

レバーに指が届きづらいのはその為です。

 

ブレーキの引き代が少なくて遊びが効かないようになっていると、下ハン使いづらいセッティングです。

 

レバーに指が届かない悩みを打ち明けたら、

ショップがブレーキの引きを軽く設定して頂きました

指引っかかってもブレーキがキツくかからない状態に設定し、握り込むとちゃんと効くちょうどいい具合になりました。

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下ハン握っている際も、ちゃんと常に指先がブレーキレバーに届く上に、いきなり効きすぎてロックするぐらいかかることもなく、安心です。

これで①と③が一気に解決🙌

 

②に関しては、

重心移動の仕方が分かっていないことが原因です

これは沢山練習しないと身につかないことです。

原理としてはどんな勾配でもハンドルに体重がかからない、肩と腕が力まない状態を作ると、安定感が生まれます。

基本的に肘は軽く曲がったままリラックス、指先は常に動かせる状態にしておきます。

最初は中々出来ないので、まずは緩い勾配のコーナーで練習して慣らしておくといいです!

逆に言うと、下ハンを使っている時に、

もし腕をピンと伸ばして、ハンドルに体重が多くかかっているように感じていたら、無理して使っていることになります。

気を付けてください。

段差があると前転しかねません;

脚力ある方で速く走れる方ほど下ハンの制御が不安定な状態で使い続けるといざとなった時に大怪我をします。

 

私が教わって一番分かりやすかったコツは、

体をどんなに後ろに引いても、へそが真ん前を向いているとバランスが取りやすい。

へそが下を向いている時はハンドルに体重がかかるから前転しそうになる。

 

これを意識するだけでもだいぶ感覚が変わると思います。びっくりするぐらい不安が消えます。

また下りの際に下ハンに持ち変えるタイミングですが、まずは怖くて持ち変えられませんよね。

持ち変える手順がとても大事です!

①まずは体をサドルの一番後ろに引く

②肩首をリラックス、肘を曲げる

③左手を持ち変えてから右手を持ち変える(慣れたら同時にやる)

④目線だけで前を見る、無理に頭を上に向くと重心が前に行きやすい、お尻を後ろに突き出すのはNG

 

基本的な下り方、ペダルを踏んでいる足の踵をさげたり、トップチューブを太ももで挟んたり、進行方向に体を向く意識や目線のやり方などなどは腐るほどみんなが発信しているので、割愛します🙌

 

今回は下ハンにフォーカスを当てて書いてみました。

ロングライドをする方、ヒルクライムをよくなさる方、長い下りは神経使いますし握力を酷使することも多いかと思います。

機材が便利になる一方、スキルを身につけなくてもいいということにはならないと思いました。

大怪我するリスクを少しでも減らす為に、より安全にライドを楽しむ為に、この記事が少しでも考えるきっかけになれたら幸いです。