山は性癖です。

ヒルクライムは芸術、峠道はロマン。そんな人の日常。YouTubeに車載動画を上げております⇒https://www.youtube.com/channel/UC28MD_W9WmDCoetAcFCGpBg

ASSOS キャノンボール企画に参加した話。

どうも、篠です。

かなり強烈な記憶に残ったことなので、ちょっと記事が前後しますが、先にこちらを書かせてください。(-人-)

 

表に出てることはInstagramで観れてリアルタイムで全て進行状況を実況していました。観て下さった方々、ありがとうございました。

外国の方はInstagramのが主流で私みたいなツイ廃は少ないのでTwitterには私が少しずつ情報を流してみました(笑)

全行程カメラワークで追い、詳しくはちゃんとした記事にもなる予定なので、楽しみにしていてください(・∀・)ニヤニヤ

 

なので今回のブログでは私の視点から見た今回のライドを綴っていきます。

 

 

実は企画に参加したこと自体かなり偶然な出来事でした…

今年の2月に初めてASSOSswitzerland本社のMarcusさんと出会った時に彼に聞かれたことがありました。

 

「日本のキャノンボールって知ってるかい?東京から大阪まで24時間で走るクレイジーなライド!クール!楽しそうだからよかったら一緒に走らないか!」

 

初対面でこんなの突拍子ですし、彼自身は多忙な方なのであくまで思い付いただけかと思うじゃん、

 

「とてもハードなライドですが、実は前から興味ありました!私でよければ参加させてください。」

 

と返事した訳です。

 

そこから3ヶ月ほど何もなくやはりこの企画は流れたのかしらと思った矢先に、

5月中旬にメールが届いて、

6月29日に実行することにしました!

ルートはこうで必要なものはこれとこれとこれ!

との連絡を頂いた時は正直ちょっと尻込みしました(笑)

 

え?マジ?本当に走るの???ウソやろ??( ゚д゚)

 

普段の日本の山を走り回ってInstagramTwitterに投稿しているのを見て、私の走力を買ってくれたのはとても嬉しいことですが、

正直体格が小さくてヒルクライムメインでやってきて長距離も得意ではない自分にはかなり難易度高いコースでした。

 

一緒にこの企画を走るメンバーはMarcusさんともう1人のスペシャルゲスト、プロライダーのJack Thompsonさん(オーストラリア)。

こんな方です

⤵︎⤵︎⤵︎

https://www.jackcyclesfar.com

 

 

なんか…メンバー的に私なんかが一緒に走っていいの…?あ…胃が…でも楽しみ…こんなメンツと走れる機会なんてもう二度と来ないかもしれないから!

楽しみにしつつ恐れ多くてずっと隠しててSNSには一切呟かなかったのです…

 

でね、前日のInstagramで企画の告知が上がって、まさかの自分の写真がド真ん中に…あ…こんな雑魚がセンター陣取ってすみません😇

 

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腹を括って、当日の朝にTwitterに告知を…

いろんな方から応援のリプを頂きました。

ありがたや。



お昼12時Tokyo Wheels ASSOS PROSHOP TOKYOよりスタート予定なので、10時半に現地集合して最終打ち合わせや装備の再確認を行いました。

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朝10時半で既に気温が30℃超えで、

おまけに凄まじい南風…

それに付け加えてちょうど夜12時前後塩尻辺りで嵐にぶつかるかもしれない天気予報。

かなり絶望的なコンディションですが、

まあ…あれこれ考えてても仕方ないし、やれるだけやってみよう!そうしよう!٩( ᐛ )و

 

Marcusさんとは4ヶ月ぶりの対面で、Jackさんはお初!とても物腰柔らかな方で笑顔が眩しい…これはファンも多い訳だ…と内心で思いつつ握手。(・∀・)

 

2人とも強そう…

 

このコンディションの中全行程を時間内で走れる脚力があるかと言われるとないから、自分の中で200kmという最低ラインを設けました。

企画自体も時間が間に合わないだろうから一番走力がない私は塩尻辺りで続行するかどうか自己判断でってなっています。

 

こんなことを言うとあれですが…どうせ無理とかの投げやりはまったくなくて、自分の中では少しでも先に進みたい意欲がありました。

 

12時ちょうどにスタート!

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私自身はTwitterやブログでキャノンボールについて調べています。

周りに知り合いでも達成者が何人もいて詳しい方も沢山います。

ローカルルールが沢山あります。

何気に「キャノンボール」という言葉はとても燃えやすいものなので、

今回ブランドが企画するに当たって、キャノンボールという単語は使わない方がいいのではとも提案したりもしましたが、

なんで?日本にはこんな素晴らしいチャレンジがあるからクールだし楽しそうじゃない?って普通に返されました…

そんな返事にハッとなりました。
そうだよね…動機なんて単純なんですよね…

何をしようと気に入らない人は気に入らないし、何か文句言いたい人は文句を言う。

素直に楽しめる人になりたいと思いました。

 

もちろん世間が言うキャノンボールを今回自分がやったかと言うと答えはNOです。

その原因の1つとして、

20号に出るまではみんなで一緒に行動しました。

 

久々に都内を走り抜けて思ったのは

外国人には日本の道路の仕組みが分かりにく過ぎる案件です(笑)

標識が分かりにくかったり、道の切り替えが分かりづらかったり、サイクリングロードは橋を渡る時に橋の下を通る仕組みやいきなり舗装なくなったり行き止まりだったりするところとか、交差点の2段右折とか…😇

たぶん私がいなかったらルートをガーミンに入れていてもそこでかなり時間を食っていたのでは…

そういう面でも日本語がちゃんと読める、日本の交通ルールが分かる私が同行することにちゃんと意味があったと思いました。

 

 

多摩川サイクリングロードはずっと向かい風と横風に殴られ続けて、Z5近くまで心拍上げて踏んでも時速30km/hすら出ないえげつない状況でした…

 

20号の大垂水峠の登りからは各自のペースで進み始めます。

 

向かい風だけど、登りは私が前に出ていましたが、特に後から抜かれる気配もなくピークに到着。

ピーク超えた途端に下りで一気に引き離されました。

風が来た途端に体重の差はやはりかなり大きいです。

 

 

もうここから1本道だし、案内する必要はないので無理して付いていくことはないと判断し、

2人とは100mから200m離れたままマイペースに続行。

 

 

この時点でクロスアベレージ24.2km/h。

この向かい風と都内の信号峠を抜けてのタイムにしては速い…

 

 

上野原駅通り過ぎたあとはもう2人が見えなくなりました。

ここで70km経過ぐらいかしら…

Jackさんは体重78kgぐらいあるらしい。

聞いた限り280wぐらい(3.6倍)なら普通に7時間ぶっ続けで走れるとのこと。

ぺっと踏まなくても私の5.7倍の出力だから、あんなん付いていくと潰れるに決まってるでしょう…😇

2人と離れてある意味ほっとしました、

先が長いし自分のペースで走るぜ!٩( ᐛ )و

 

 

撮影班兼回収車は途中で先回りして、自分達が走ってる様子を撮影していました。

私が遅れているのを見て、大丈夫ですか、いつでもリタイアしていいですよって声かけてくれましたが、大丈夫です行きますって元気に返事٩( ᐛ )و

 

 

気温は32~4℃前後まで上がる。

軽く熱中症に近い状況まで陥って、ペースを抑えてゆっくり進むことにしました。

笹子トンネルまでは緩い登り基調なのに風速7m向かい風まっしぐら…

暑さで心拍が下がらないけれど、ギリギリ保てるペースでペダリングすることに専念。

できるだけ力まずにトルクを落とさないように…

登りだからアベレージが下がっても焦らずに着実に進んでいく。

 

登りの途中で知らない車が目の前に止まって、

運転しているおばちゃんがビニール袋差し出して「お団子持ってって」って言ってきたけれど、人違いかなと思って会釈して通り過ぎたら、
後からもう1回追い越してきて、お団子と饅頭いろいろあるよ!持ってって!って追っかけてきました。

暑さで意識が朦朧で、大量な物を受け取れる状態ではなかったから、御礼だけ言って前に進みました。
お気持ちすごく嬉しかったです、本当にありがとうございました…!

 

なんとか笹子トンネルまで到着し、その時点でグロスアベレージ22.7km/hまで下がりました。

4kmもある上に、換気扇のない狭いトンネルなので、普段なら絶対通りたくない道ですが…腹を括って中へ…とにかく早く通過できるように踏みました。/(^o^)\

 

 

トンネル抜けたら甲斐大和の道の駅。

そこに撮影班の車が止まっているのが見えたのですが、自分はペースが遅いので長い休憩はなしに少しずつ前に進もうと決めて、道の駅はパス。

その代わりちょっと下ったところの自販機で炭酸500m、2ボトルポカリスエット補充しました。

 

甲府まで下り基調なので、向かい風はあるものの、28~40km/hで進み続けられると理解しました。

焦らずにペースを保つことに専念。

120km地点ではグロス23.8km/hまで戻しました。

暑さにやられて固体物の補給ほとんど食えなかったのでコンビニでゼリーを2本購入してトップチューブバッグに入れて走りながら飲むことにしました。

コンビニ休憩挟んだら23.6km/hまで落ちた。

 

まっすぐ諏訪に向かっていたら、なんと…

後方からJackさんが来ました( ゚д゚)

 

「元気??君は休んでないのか??」

と驚いた様子でした。

 

「私は遅いからマイペースに進んでます٩( ᐛ )و」

 

「俺は15分休んでた!Marcusはもうちょいしたら来ると思う!じゃあ!」

とだけ残してJackさんは通り過ぎていきました。

やはり何度後ろから見てもペダリングがとても綺麗で100km、200km、300km走ろうとケイデンスはあまり落とす様子がない…結構重いギアをスムーズに回しています…

こっそりお勉強タイムに突入した私でした。(・∀・)

 

って、ん???Marcusさんまだ後ろなのか???

えっ、ってことは甲斐大和から今まで私が先行してたのか……Σ( ゚д゚)

 

その後、Marcusさんから「ユー!ストロング!!」って言葉も頂きました(笑)

 

ちょっぴり嬉しかったです。

圧倒的に走力が低い自分でも体のマネージメントとペースコントロールで長く走れるらしい。

 

そこからは、もしや…休憩さえしなければ延々と25~30km/hで走ってればいけるんちゃう……?という気になってきました。

正直かなりワクワクしてきました。

 

 


140km地点ではグロス23.2km/h、まだ足に余裕はあるというか、夕方になって気温下がってきて、直射日光もなくなったので体がだいぶ楽になりました。

ここからまた登り基調になりますが、ペースが落ちる気配はなかったです。

 

160km地点ではグロス22.9km/h、命の危機を感じて自販機でネクターピーチを一気飲みしたにも関わらず、氷水を飲んでるぐらいの味覚だったからあかん…絶賛ハンガーノック/(^o^)\

急いで2缶ぶっ込んでボトルの中身をカルピスにしたらちょっと甘さを味わえるようになってきてひと安心…

まあ、23を切らないように頑張ってきたので結構メンタルに来た、休む度にグロスアベが下がるのえぐい…

 

茅野市の看板までは登りでしたが、諏訪湖までは下りなので休みつつも巻き返せました。

184km地点で23.1km/h

悪くないペース…諏訪湖まで8時間台で来れてる…

 

実は出走前にフォロワーさんで笹子トンネルで4時間半切り、諏訪湖で8時間切ればワンチャン間に合うとのアドバイスを頂いたので、

それを守って、笹子トンネルはちょうど4時間半切り、諏訪湖8時間台。

 

すっかり暗くなってきたし涼しくて走りやすい足が回る…

企画では私は塩尻でリタイアしていいことになってるけれど、もうちょっと前に進みたくなりました。

 

塩尻までの210kmは登り基調で、その後の約120kmが下り基調のアップダウン。このままいけばアベ23km台、あわよくば0.5~1上げられるかもしれない………

 

と思っちゃうじゃん?夢のある話だ!( ゚д゚)

 

 

そこで、一度アプリでみんなの所在地を確認してみることにしました。

 

 

ん?

なんとみんなミスコースしてる!!/(^o^)\

私だけ正規ルートを走っている案件(笑)

諏訪湖から塩尻方面に進む分岐で先行していたJackさんが違う方向に行ったそうです…

合流どうしよう…というかミスコースしたら間に合うかな…

とかいろいろな思考が巡って、

携帯確認して、

雨レーダーがあと1時間ぐらいで雨降るとか竜巻注意報とか出てるから、

私だけ正規ルートに先に進んで真っ暗の中、フルフェットの路面、ましてやトラックの通りが多い国道19号線を下るのは怖いと思いました…

さらに土砂降りにあったらかなり危険な気がしました。

 

まだ足に余裕はある、もっと進みたい。

だが、どこまで行けるチャレンジしたいと思っていても今回はほかのメンバーがいる訳で、自分が雨の中で事故にあったり単独落車でもしたらみんなに迷惑がかかると思いました。

いろいろ考えた末、

岡谷駅付近でDNFする決断に至りました。

 

 

ログを切ったあと、見返して、Z4で5時間走り続けられてまだ余力が残ってることにびっくりしました。

諦めたのは悔しくて仕方ないですが、ここまで真剣にペースを維持して200km走ったのは初めてだったのでとてもいい経験になりました。

 

 

撮影班にDNFの連絡して塩尻に向かって合流する予定でしたが、迷い込んだ公園(いい坂)から見た夜景が素晴らしくて、思わず止まって写真を撮りました。

写真撮ってる最中にポツポツ、ザーッ!!!

ってなりました(笑)

 

 

なんかもう面白おかしくて、ケラケラ笑いながら土砂降りの中の塩尻峠を登って回収車までいきました。

 

 

私のチャレンジはここで終わりました。

とてもとても濃い8時間44分でした。

 

 

休憩はコンビニ1回目5分
2回目トイレと買い物で5分

自販機で3回止まって足して15分

その他信号でしか止まっていなかったです。

 

 

 

ミスコースしたJackさんは光の速度で正規ルートに戻り既に19号線を南下しているとのことで、もう凄すぎて言葉が出ない( ゚д゚)

 

Marcusさんも調子あまりよろしくないけれど、続行することを決めました。

 

警報次第で企画中止も視野でしたが、なんとか小降りで終えられたようで、2人とも無事で本当にほっとしました。

 

あれからJackさんが19号線の下りでガーミンを落として、後続トラックに粉々にされ…探しに戻ったら電池の蓋しか残骸が残らなかった悲しい事件があったり…😇

その後約350kmを感覚だけで走り切った鉄人です…

何故か峠と距離を増やして大阪に向かっていく…自分でハードルを上げていくスタイルが面白いと同時にドキドキハラハラで、撮影班と見守っていました(-人-)

 

大阪の市内の信号峠や入り組んだ道で迷子になったりもしましたが、11時59分45秒にドラマチックなゴールを果たしました…😭

補給がおにぎりとポカリだけのキャノンボールとか初めて聞きましたよ()

 

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Marcusさんも後半はペース上がらず時間オーバーでしたが、走り切れました。

 

ん、さらに詳しいことは後日詳しい記事にてご確認ください(・∀・)ニヤニヤ

 

ゴール後にJackさんがとてもとても疲れたと言っていました。

600km走るだけならともかく、まず24時間ぐらい走り続けるのはクレイジーですし、信号の多さや交通量、気温や天候の変化、東京から大阪まで1日で走るなんて本当によくこんなチャレンジをするんですね…と。

 

キャノンボールのキツさはプロライダーにもお墨付きらしい…もちろん中山道だったというのもあるかもしれないけれど、Twitterのフォロー内でも何人も達成者がいること自体結構すごいことです。

みんな凄いです。( ゚д゚)

 

今回の企画のコース自体難易度高いし、天候も気温も良くないからなんでこういうコースを選んだのかと疑問の声をチラホラ聞きますが、

正直なことを言いますが、

単純にこのルートの方が楽しいからですよ。

これはMarcusさんもJackさんも同意見でした。*1

 

ただ一号線を延々と走るならわざわざ自分達がやる必要をあまり感じません。

アップダウンあり山ありのが楽しめるし景色いいからこのルートを走りたかった、

自分達は日本の道を楽しむために来たと言っていました。

目からウロコでした。(´ω`*)

 

私の場合は、体重が軽い分、風の影響が受けやすい。

29日のような強い南風の日にど平坦の1号線を走るなら100kmぐらいでリタイアしたのであろう…ある意味登り程よく混ざっているルートだったからこそパフォーマンスを発揮できた気がしました。このルートに感謝しております。

 

3人とも自分なりに最高に楽しめたと思います。

1人で暗闇の中で登り、

茅野の坂室トンネルを抜けたあとに目の前に一面に広がった諏訪市街の夜景が今も目の奥に焼き付かれていて、一生忘れられないであろう思い出です。(´ω`*)

 

本当に今回の企画に誘ってくれたMarcusさん、一緒に走ってくださったJackさん、Tokyo Wheels の方々に感謝し切れません。

 

見守ってくださっ方々、

本当にありがとうございました。

 

 

PS:

翌日、せっかく大阪に来たことだし、キャノボで不完全燃焼だったので、7月1日は大阪の暗峠を登りに行きました(笑)

とても登り切れる気がしないコンディションでスタートしましたが、とても楽しめました。

大阪の激坂の洗礼を受けました(笑)

 

大阪詳しくないのでまた行く機会があればじっくりほかの山も楽しみたいです…

皆さんおすすめの峠があればぜひ教えてください!(´ω`*)

 

 

ではでは。

 

 

 

*1: ˘ω ˘ *