どうも、篠です。
今回の更新は先日初めてソロで大阪→東京キャノンボールに挑戦した話を綴りたいと思います。
💡「大阪→東京キャノンボール」とは
大阪の梅田新道から東京の日本橋までの片道約554キロを24時間以内に走破するという歴史のあるチャレンジライドです。
※ルートによって距離もコースプロフィールも違い、最短494km?最長590kmと、どのルート選ぶかは自由。国道1号線を走るR1ルートが比較的にメジャー。
今回は走ったのは「ハーフ中山道ルート」(中山道甲州街道ルートとも言う)
大阪から岐阜長野を経由して諏訪から甲州街道へ入るアップダウンの多い峠道を経由するコースです。
7月18日23時01分大阪梅田新道スタート
7月19日22時44分に東京日本橋に到着
計552km、4522m↑
グロス23時間43分
グロスAve.23.4km/h、走行Ave.26.7km/h
おおよそ予定通りに24時間以内に走り切ることができました。
実行に至った経緯
18日にサイクルモード公式チャンネルの撮影で(8月公開なので是非チェックしてください✌️)
和歌山のマリーナシティーに行き、ロケバスで20時前に新大阪に戻る予定だった。
始発輪行で埼玉から関西に行って撮影で数kmだけ走るのは勿体ないし、せっかくだから一泊して関西走るか、少し移動して愛知で一泊してから山通って帰ろうかなとかぼんやり考えていた。
キャノンボールしようって決めたのは当日の朝大阪行きの新幹線の中。
めっちゃ急遽だけど、それには訳があった。
当日になって、翌日の予報が関東に向かうにつれて天気が良くなっていくことが分かった。
朝起きてから走るなら大阪より岐阜長野の方が天気がいい。岐阜長野は昼以降天気が崩れる可能性あるけど、山梨県までいけば夕方から夜にかけて安定している。
撮影終わって新大阪から電車で中部に移動したら22時前後になるからホテルで即行寝て翌日早起き…そこから輪行解除して走り出す準備……考えただけで気が重い。
ならいっそのこと、大阪から走っちゃえばいいんじゃない?
遅ければ遅いほど天気が悪くなるなら夜中出発?となると…大阪から?………どこまで?
東京まで行っちゃうか。
ふとそう思った。
キャノンボール?
実は2018年にアソスプロショップ東京から大阪に走るアソスキャノボのメンバーとして走ったことがある。
今回とは違う方向の東京→大阪だったけど、ルートはほぼ一緒、甲州街道から中山道。
6月末の酷暑日で、夜大雨降ってきて200km地点の塩尻でアベレージキープできる自信なく、そこでリタイアした。
ずっと心残りだったから、いつかソロリベンジしたいと考えていた。
2021年、2023年のフレッシュ複数人でR1ルートにチャレンジするにも2回ともトラブルで途中リタイア。
そういう経験もあるからか、何となく自分の中でキャノボは高い壁があった。
2018年からかなり時間置いたけど、このタイミングでふと「東京まで行っちゃおう」って考えが思い浮かんだなら、今がその壁を越える時だ。そう思った。
当日準備
そうと決まれば、すぐにキャノボの準備に取り掛かった。
ひっさびさにこんな即興ライドだから、新幹線の中でワクワクした。
新大阪まで行ってそこから和歌山までロケバスだから、移動時間3.5時間もあるからいろいろできる。ただこれから情報収集してルート作成は間に合わない。
……からチート使って、2021年にハーフ中山道キャノボをクリアしたEMUチームメイトのにんにんさんに連絡してルートデータを入手。(感謝🙏🏻)
おおよそのパワーデータも聞けて、これなら焦らずに淡々と行けば希望があると、少し実感が湧いてきた。
実際フレッシュでR1ルートも走って、2018年リタイアした回と比べてみても、信号云々置いといて自分の場合なら中山道甲州街道経由の方が勝算あると踏んだ。(理由はまた後ほど)
持ち物
ロングライド基本最低限の荷物しか持たない主義なので、今回大阪行きのはほぼ普段の装備。
工具一式(チューブ2本)、レインウェア、着替え一式、緊急用PEKO製輪行バッグ。(正直何泊してもこの荷物でもの足りる)
ファストランなので2回パンクした時点でリタイアと決めてる。
👕反射ベスト問題
流石に夜間も走るから安全のための必需品。
まずはこれの調達から。
過去にフレッシュを一緒に走った大阪のモニグラさんに連絡してみたら、夜スタート地点に持ってきてくださるとのことで解決、まじ神✨️👏🏻
柴犬神様。(Twitterに毎日シバの可愛い写真載せてるからよかったら是非覗いてみてください)
唐突な相談に乗ってくださってありがとうございます。
🔦ライト・バッテリー問題
過去に千葉イチ24時間やクリスマスイブROAMでも実験したが、
普段装備のGaciron 1000ルーメンライト1灯だけでもマネージメント次第で物足りて、予備バッテリーとしても使える。
特にキャノボルートは国道通るから夜は街灯が常にある環境。周囲の明るさに応じてこまめに光量調整すればより長持ちする。
リアライトはトンネル内や暗い時間帯のみ使用。
携帯に関しては、コンビニ決済と緊急で使うので、走行中SNSで最低限の状況報告して機内モードに切り替えてバッテリー温存。
🚰ボトル問題
急遽実行を決めたので酷暑日なのに500mlのワンボトル装備という痛恨のミス
自販機寄る回数は増えるけど、コンビニで1L買ってその場で半分飲んで半分ボトルに入れる方法で50~70kmは持てる。
コンビニでブロックアイス買って首の後ろに入れて走れば、体温の上昇はある程度抑えられる。
出発前
和歌山から梅田に戻ってきたのは20時前、漫喫の鍵付き個室で2時間10分ほど仮眠。
体がちゃんと動く状態になってるのを確認してから出発の準備。
22:30に梅田新道元標についた時、既に反射ベストを持ってきてくれたモニグラさんとキャノボ虎の穴の皆さんが見送りに来てくれていた。
急遽決めてSNSでは何も言っていなくて、寂しくスタートするかと思ってたからなんか嬉しい✨️( ˇᵕˇ )
切りよく23時スタートすることにしました。
私「あ、そういえば、Twitterになんかあげた方がいいですよね?みんながよくやってるこれから走ります!的な??」
モニグラ「是非やってくださいw」
実はあれにちょっと憧れてた。
やります!宣言っていいよね。
自ら退路を断つというか…😂
出発前ツイート
位置情報共有に関しては、一応女性なので、リアルタイムは辞めてちょい時間差で現在地をTwitterに上げていくことにした。
いざスタート
信号の関係で23:01に出発。
23時スタート決めたには理由がある。
まず1つ目は大阪市内の交通量対策。
最初の30分ほどで信号多い区間を抜けられてかなり快適に走れた。大津まではそれなりに交通量あったけど全然許せる範囲。
最初の1時間で目標のアベ23は難なくキープ、大津に着く辺りで24.5。
2つ目は集中力の確保。
夜間走行は日中よりずっと神経遣うが、5時間は自分の中で疲れないギリギリのライン(これは人それぞれなのであくまで参考にしてください)
7月は日が長いから、4時から空が明るくなり始めるから23時スタートだとピッタリ。
大阪~大垣
0km~145km
大阪から京都経由して大津まで出れば、琵琶湖沿いの道は快適。
特に大津~米原区間は深夜帯だと点滅信号だからほぼノンストップで走れて頑張らなくてもアベレージ26前後まで簡単に持っていける。
114km米原辺りで1回目のコンビニ。
スタート時持っていた補給は羊羹2つ、ひとくち饅頭6個、ここまででちょうど使い切った。
次のコンビニは19号に入ってからと思ってるから、ここではまた羊羹2つ、スイートポテト1つ、ラムネを購入。停止時間約5分。
省エネ走行なので補給は胃腸に負担かけすぎない、かつ体力維持できる最小限が自分には向いている。
関ヶ原を越えて、大垣市を抜けたのは5時前。
スタートから5時間40分経過、
ここでも交通量に引っかかることなく順調。
大垣~多治見~恵那
140km~230km
日が登ってきた途端に気温が一気に上昇。
深夜の大阪市内は30℃、琵琶湖沿い28℃、朝8時半に恵那に着いた頃には35℃になっていた。
ワンボトルなので前文にも書いた通りコンビニで1L買ってその場で半分飲んで半分ボトルに入れる方法で50~70kmは持てるが、どうしても足りない場合は自販機で繋ぐ。
自販機全行程で6回寄ったけど、すべて国道沿いの信号のすぐ近くにある自販機を選んだ。
そして、必ず信号が赤くなるタイミングに寄る。
チリツモだけど、少しでも無駄な停止時間を減らせる。
暑すぎて多治見過ぎたあたりで2回目のコンビニピットイン。とにかく全身に水被って体温を下げる。コンビニでは決まってポカリ1本、水1L買ってた。半々飲んでボトル補充したら余った水は浴びる用。
あとこのアイスボックスめちゃくちゃよかった。(当日撮り忘れたんで今日千葉で買ったやつの写真ですみません😂)
この形状は首の後ろに入れれば背骨に沿ってすっぽり縦に入るし、軽いし上半身の動きも邪魔しない。完全に溶けたら飲んでゴミは次のコンビニで捨てればOK。
8時25分に恵那通過。
恵那~塩尻
230km~340km
国道19号線はとにかく灼熱だった、トンネル以外日陰皆無。
塩尻に向かって登り基調のアップダウンを延々と繰り返しながら110kmも続いていて、今回の全行程で一番果てしなく感じた区間だった。
でも常に一定のペースで走っているから、登りは速くなくても下りでアベレージが戻ってくるから、19号線抜けるまではずっとアベレージ23.5~24.5の間を行き来してた。
19号線トラックバンバン通るけれど、通過時間が昼間なのでそれなり安全に走れる。
常に後ろ意識して車来たら合図出して譲り合って走っていたから危ない場面はなかった。
この日はコース全体に渡って道路工事が多かった。片側通行の道路工事で合わせて20回は停止しているので、おおよそ20分近くかな。信号以外の停止時間…これは予想外のタイムロス。
3回目のコンビニは320km地点のセブンイレブン木曽平沢店。
ここでヤンニョムチキン食べて、赤飯2個、スニッカーズ3個、レモンわらび3個購入。
買い物と水浴びのみなので、停止時間5分以内。
塩尻に近づくにつれて曇ってきて、ちょっと雨降られたけど、一時的に気温が灼熱の34℃から27℃まで下がったおかげで体力回復した。
13時20分に旧中山道で国道20号に向かう塩尻峠の登りで現在地の写真をアップ。
分かる人には分かる場所。
ここまでアベレージ24で、本音はもうちょっと余裕が欲しいけど、まあまあ順調。
岡谷~笹子トンネル
350km~443km
岡谷以降の登りは富士見峠のみで、それさえ登り終われば、今回のコースの登りの大半はクリアしたことになる。
富士見峠頂上でアベレージ23.5
富士見町から竜王までは45kmほど下り基調のボーナス区間で、アベレージ25まで回復。
ただ一度25℃の涼しい雨を浴びたあとの蒸し暑い甲府盆地は堪えた。
甲府市街と笹子トンネルまでの登りで23.3まで落ちるが、一定のペースを守ることを意識しながら淡々と続けた。
笹子トンネルまでで獲得標高4000m、443km終了。
残りわずか110km。
長かったがここまで来て、やっと終わりが見える気がした。
笹子~高尾
443km~501km
平日の18:20でタイミングよかったからか、笹子トンネルガラガラで3kmの間車に抜かれることなく通過できた。
通勤時間帯で山梨側に戻る車は多いが東京方面に向かう車は少ないからだと思う。
トンネル抜けたあとはスーパーボーナス区間到来。
何度も通ってる甲州街道だから帰ってきた感がある…ちょい登り返しあるけど基本下り基調なので、アベレージは見る見る回復していく。
上野原で最後のコンビニに寄って、レモンわらび4つ、スニッカーズ3つ、赤飯2つ買ってこれで最後までいくと決めた。
序盤からずっとペース抑えていたのもあり、甲州街道の下り基調でしっかり回復して、大垂水峠は3倍以上で安定して通過。
時刻は20:00
走行アベレージ23.6
東京都の看板が見えた時、
あぁ…あと52kmで終わってしまうのかと名残惜しさまで出てきて不思議な気持ちになった。
そしてようやく完走できる実感が湧いてきた。
高尾~日本橋
501km~552km
全行程554km(GPS誤差あるのでログは552km)を24時間以内に完走したければ、アベレージ23.1km/hは必要。
今までの道程と違って、高尾以降の52kmは信号がどんどん増えていき、都心に関しては信号地獄なので、走りながら高尾から少なくとも3時間はマージン欲しいと考えてた。
工事信号などのイレギュラーな停止で予定が少しズレて、20:10に高尾駅通過。
2時間50分もあればもう大丈夫だろう……
少しほっとしてゆっくり走ってたら都内の信号でギリギリになりかけて最後焦ったのはいい思い出。ラスト10kmはひたすら信号ダッシュ繰り返してた笑
新宿駅前から日本橋まで7kmしかないのに40分かかって白目。
都心恐ろしや…😂
日本橋の元標に着いたのは22時43分。
無事制限時間内ハーフ中山道ルートを完走できた。
大阪から自分の足で東京まで、1日以内で来れた。
地図見るとおおおってなるね。
これ、めっちゃ達成感あるわ…
ほんと勇気出して走ってよかった!
ゴールではしょっとこ、うめチコ、ふぃりりん、未架さん、林さん、カナパンさん、LINKVISIONの皆さんが出迎えてくださいました!
遅い時間なのに、ありがとうございます!!🙌✨️
まとめ
以下の文章はこれからキャノンボールに挑戦しようと思っている方に読んで欲しい。
何度も1Dayロングライドを繰り返して、自分は集中力が24時間持続できて、かつ絶対眠くならないことを把握しているので、今回のチャレンジを実行した。走っている最中、少しでも体の不調を感じたら勇気持って辞めることも必要。
・必要なスキル
圧倒的な走力よりも
眠くならずに24時間起きていられること
24時間足を回し続けられること
公道を安全に走る為に24時間集中力を切らさないこと
しっかり補給できて食べ続けられること
・ルート選択
軽量級である程度登坂力を持ち合わせた方には今回私が走った中山道甲州街道経由のルートがオススメ。
距離は国道1号線ルートより長いものの、名古屋静岡通らないので圧倒的に信号の数が少なく、ストレスが少ない。
景色の移り変わりもあって、飽きないし普通に走ってて楽しいコース。
パワーの絶対値を考慮すれば、フル平地ルートよりもアップダウンコースの方が下り基調で休めて楽に速く走れる。
目安として、今回の走行データは23時間43分、NP2.4倍、走行アベレージ26.7km/h。
PWR4.5↑ある方なら余裕持って完走できるはず。
今回は暑さや工事の影響もあるので、ギリギリになってしまったけれど、22:30着の予定で動いていた。
・ロングライドのペース配分
ロングライドだと最初に頑張りすぎて後半ヘロヘロになりがちな方、これはあくまで私の経験談で参考までに
⬇️
パワーメーターがない方はとにかく最初から足に負担を感じない強度でペダルを回し続ける意識。
パワーメーターを持っている方は自分のパワーウェイトレシオから2を引いた数値でページングしてみてください。
これは私が15時間以上走るライドで使っている計算式です。
例えばPWR4.5なら、最初から2.5で走り続けてみてください。
遅すぎると思っちゃうかもしれないけど、特にロングライドは自分の実力以上のことは出せないから、どんなに頑張ったところで最終的にガタ落ちして、帳尻合わせのように同じ数値もしくはもっと低い数値に収束されていく。
残り100km、50kmでまだ余裕があるならそこから上げていけばOK。
今回に関しては全行程554kmなので、24時間以内に完走したければ、アベレージ23.1km/hは必要。
ただ必死にずっと23以上をキープする必要はない。
地形によって走行アベレージは常に変わっていく。登りで遅れても焦らずに下り基調で巻き戻せることを念頭に入れて、頑張りすぎずに走り続ければ大丈夫。
・時間短縮法
すべての信号厳守は大前提で、少しでも停止時間を減らす努力をする。
例えば序盤ならコンビニで5分買い物するだけで、アベレージが0.1~0.3簡単に減る。
本文にも記述した、赤信号の時に信号付近の自販機を利用するなど、色んなやり方がある。
ゆっくり走っているから食べる、飲む行為は基本サドルの上で済ませばOK。
コンビニに立寄る時は一度にすべての用事を済ませる。トイレ&補給購入&ドリンク補充などなど。
今回は24時間完走に合わせてペーシングした。
経過時間23時間43分、移動時間20時間41分。
そのうちコンビニ、自販機停止は合わせて1時間ほど。
その他は2時間はすべて信号、工事停止。
休憩というものはまったく取っていない。信号で十分止まっているし、休憩しなくてもいいゆっくりペースで走っているという要因も大きい。
※そもそも論で、こういうロングライドは真夏にやるものでは無いので、程よい気温の秋や春先がオススメです;
走ってる最中めちゃくちゃ暑いわ、給水だけで倍時間取るわで…それなりに修行でしたが、終わってみればめちゃくちゃ楽しかったので結果オーライです。✌️
※この記事は道中のこと何か思い出したら随時書き足して行きます。
長文最後まで読んで頂きありがとうございました!
まだまだいろんなことにチャレンジしていきたいと思います。
今後ともよろしくお願い致します。